たすきをつなぐ

日本では、お正月に駅伝というリレーマラソンが行われます。テレビで始めから終わりまで12時間以上も生中継します。ごちそうを食べながら、テレビで駅伝をみるのが、お正月の楽しみの一つです。

駅伝は日本でうまれたスポーツです。トラックでのリレーは、バトンをわたしながら走りますが、駅伝はたすきをわたしながら、走ります。11日には「ニューイヤー駅伝」が、2日と3日には「箱根駅伝」が行われます。「ニューイヤー駅伝」は会社員や公務員のチームが走ります。

「箱根駅伝」は大学生の駅伝です。訳100年の歴史があって、人気があります。東京から箱根を2日間かけて、おうふくします。

12日の朝8時に1人目の学生が東京を出ます。箱根まで約108㎞(キロメートル)を5人の学生で走ります。5人目の学生は、高低差が約834mもある箱根の山道をかけあがるので、たいへんです。午後1時ごろ、山の上に着きます。道ではたくさんの人がはたをぶりながら、「がんばれ」と言って、おうえんします。

次の日の13日には箱根から東京まで、また別の5人の学生で走ります。前の日に一番だった大学から走り始めます。きのうのぼった山を一気に下ります。100m13秒台で走る学生もいます。最後の学生は午後1時ごろ東京に帰って来ます。全部で10人の学生が協力して、走ります。おうふくのきょりは217.9㎞ですから、1人の学生は平均約20㎞走ります。一番早く東京に着いた大学はゆうしょうです。

お正月の後も3月から10月まで、日本全国で中学生や高校生の駅伝や車いすの駅伝が行われます。

もったいない

子どものころ、私が短くなったえんぴつを捨てると、祖母は「もったいない、キャップをつけて使いなさい」と言いました。茶わんにごはんつぶをのこすと、「もったいないよ、全部食べなさい」と言いました。そして、祖母は一度使ったつつみ紙もリボンも、もったいないので、とっておきました。祖母だけでなく、昔の日本人はものを大切にしてよく「もったいない」と言いました。

でも、今はどうでしょうか。物がたくさんあるので、まだつかえるものでもどんどん捨てています。日本人は「もったいない」と言わなくなりました。「もったいない」は、もともと仏教の言葉で、本来の価値を十分に活かしていない、むだになっているという意味です。

ケニアのワンガリ・マータイさんは、長年、木を植える活動を続けて、ノーベル平和賞をもらいました。

その翌年、日本に来て「もったいない」という日本語に出会いました。この「もったいない」という言葉はが、3R(Reduce, Reuse, Recycle)を表すだけではなく、命や地球の資源を大切にする敬意がこめられている言葉はだと知って、感動しました。命や資源を大切にするという考えをもった「もったいない」という言葉を世界に広めたいと思いました。ほかの言語に訳したかったですが、ぴったりの言葉が見つかりませんでした。それで日本語の「もったいない」をそのまま使って、キャンペーンを始めました。日本語の「もったいない」が、世界の“MOTTAINAI”になりました。

今年の漢字

年末になると、どの国でも新しい年を迎えるための行事や一年を振り返る行事がいろいろあります。伝統行事はもちろんのこと、新しく生まれた行事もたくさんあります。日本の一年を振り返る行事としては、その年の10大ニュースや一番よかった歌、コマーシャルなとを選ぶイベントがあります。

日本漢字能力検定協会では、1212日を「漢字の日」と決めました。毎年、漢字一字でその年の世相を表す「今年の漢字」を公募し、一番多く集まった字を発表しています。発表は世界遺産で有名な京都の清水寺で行われ、このお寺の僧侶が特大の紙に筆で書きます。

2017年の「今年の漢字」は「北」でした。15万票以上の公募の中から「北」が約7000票を集めて、1位になりました。2017年は、「北朝鮮」のミサイルが「北海道沖」に落ちて、日本の人びとを不安にした年でした。「北」は二人の人が背を向け合って、立っている様子を示している漢字です。寒い方角を表しているだけでなく、「相手に背を向ける」という意味があります。だから「敗北」「背」という言葉にも「北」が使われています。

この行事は1995年に始まり、2018年で24回目になります。以下がこれまでに選ばれた24字です。第1回目の1995年には、「震」という漢字が選ばれています。この年に日本では大地震やオウム真理教事件などが起こって、人びとは恐怖に「震」えました。

漢字の生みの親、中国でも2006年から、台湾でも2008年から日本と同じように年末になると、「今年の漢字」が選らばれています。

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